将来教員を目指す人にとって、最も身近な仕事|学習メンター体験談
日本大学通信学部4年の井坂肇です。
東京大学農学部を6年前に卒業し、4年間独立プロ野球で野球を続けました。
引退後野球の指導者になりたいと思い、高校教員免許取得のため通信学部に入り勉強しています。野球を通じて、挑戦する人を応援したいというのが僕のやりたいことです。
私がメンターという職業を知ったのはt-newsを見ていたことがきっかけです。東大時代にはトモノカイを通じて家庭教師の仕事をさせてもらいました。これから教員になる上で幅広い生徒の考えを知りたいこと、今の高校の雰囲気を知りたいこと、勉強以外の相談にものりたいことを理由として、学習メンターに応募し合格しました。
実際に学習メンターとして活動してみて、今後教育活動に関わりたい人、特に教員を志望している方々にはぜひ、学習メンターとして活動することを薦めます。
その理由についてここからお話しします。
学習メンターでしか得られない経験がある
教育に関わる機会は、バイトとしての塾・家庭教師や、教育実習がありますが、それらと比較して学習メンターを通してしか得られない経験についてお話ししようと思います。
①塾との違い
塾では学力向上の指導がメインになると思います。学習メンターも学力向上の指導は行いますが、同時に、生徒が勉強とどう向き合うのか、今の勉強がどう今後に繋がってくるのか、勉強することの本質的な面白さ、日常のあらゆる悩みなど、生徒と様々な会話を通じて学習する楽しさや学力だけでない自己成長を伝えることが出来ます。
②家庭教師との違い
家庭教師では基本的に一人の生徒を教え続けると思います。学習メンターでは、様々な生徒と触れ合うことが出来、そこから多くの考えを吸収することが出来ます。僕らが生徒を指導しているようで、実は生徒から多くの気づきや学びを得ることが出来ます。
③教育実習との違い
教育実習では2~3週間で期間が終わってしまいますが、学習メンターでは通年で生徒の成長を見ることが出来ます。テスト対策や日常の学習、模試対策、行事や部活と勉強の両立についてなど、全ての出来事を共有することが出来ます。年間を通しての生徒の変化を見たり、教えてきたことが形になって表れるのを見たりすることはこの上ない喜びとなります。
他の学習メンターとの切磋琢磨
そして、学習メンターを通してしか得られない最大の経験は、他の学習メンターと触れ合いながら成長することが出来ることです。学習メンターは皆教育への熱意が高く、その考え方を知れること、指導している様子を間近でみて参考に出来ること、自分の指導について意見をくれること、これらはグループで活動する学習メンターの強みであると思います。
自分の持てる力の全てを振り絞って生徒に何かを伝えようとする姿にはとても感心させられ、そういう姿を見て自分自身ももっとよい指導は出来ないのか、言葉の使い方はないのか考えさせられました。これは塾での指導や家庭教師での指導では中々得られない経験であると思います。学習メンター自身も大学で学びたいこと、将来やりたいことがはっきりしており、高校生や中学生の一歩先を行く存在として常に刺激を与え、理想像となっていました。
生徒に何が残っているのか
こうしたメンター活動の中で私が一番大切にしてきたことは、
我々メンターがいない時、離れた時に生徒に何が残っているかということです。
生徒と定期的に会い信頼関係を築くことで生徒の学習意欲や学力の向上は確かに上がりますが、一方で一過性のものとなってしまう危険性も潜んでいます。
自分の内部から湧き上がってくる知的好奇心を醸成することが私達の役目であると思います。さらには私達を追い越していってくれるような人財を残すことこそが大切なことだと思って取り組んできました。
生徒には考える力があります。悩んで苦しんでいる子もきっかけ一つで大きく成長します。そうして自立して行動出来る子を一人でも多く育てたい、そのきっかけとなりたいと思い、取り組んできました。
おわりに
私は2019年を持ってメンターを卒業します。
生徒には常々自分が楽しいと思える目標をもって、一生懸命取り組んで欲しいと伝えてきました。
少し先をいく私もまだまだ自分の夢を追いかけている途中です。
メンターは卒業しますが、これからは自分の活動を通じて、夢に向かって突き進む楽しさを伝えていくつもりです。
そして何年かして、大学生になった生徒達とお互いの夢についてまた笑いながら語り合える日が来ることを望んでいます。
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