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心つながる「夜のオンライン自習室」で学校と協同してコロナの逆境を乗り越える

トモノカイでは、学校向けの放課後学習支援プログラムや進路行事などの企画・運営サービスを提供しており、首都圏の私立中高を中心に40校あまりにご採用いただいています。大事にしているのが、現場の先生方としっかりと連携し、その学校の課題やニーズに合ったコンテンツを設計・提供すること。特に2020年度は、コロナ禍により学校が休校になるなかでも各学校の課題や要望に真剣に向き合い、対面とオンラインを使い分けながらニーズに合わせたプログラムを提供しました。今回は、コロナ禍のなかチーム一丸となって取り組んだ某女子校(A校)の進路イベントについて、トモノカイ・大竹円香 がご紹介します。

勉強に打ち込む姿がお互いの刺激になる

 B校の放課後支援の取り組みは、2018年度に始動しました。現在も続く中学1年生全員を対象にしたプログラムで、放課後の学習習慣をつけたり、つまずきを早期に発見・対処したりすることを目的としています。

 このプログラムには「演習タイム」と「メンタールーム」があり、演習タイムには全員が週1回、部活などのない日(固定)に必ず参加。つまずきやすい英語と数学を中心に、各自が授業で出された宿題などに取り組みます。大学生のメンターが在室しているので、わからないことなどがあればいつでも質問ができます。

 一方、メンタールームには、曜日を問わずいつでも参加できます。取り組む教科は自由で、進路や大学での学びのことなど、勉強以外のこともメンターに相談できます。

 

 放課後のこのプログラムは生徒にも先生にも大変好評で、先生方からご相談をいただき、2020年度には長期休暇中に中学2年生を対象にした5日間のプログラムを追加で実施する予定になっていました。

 ところが、コロナ禍により対面での実施が困難に。急遽、夏休みはオンライン(Zoom使用)で開催することになりました。

 

 夏休みに実施した5日間のオンラインプログラムは、通常と同じく自習スタイルで、各自が課題に取り組みます。質問がある場合はチャットに書き込んでもらい、ブレイクアウトルームで個別対応を行います。

 基本的には「画面オン」をルールにしており、生徒たちがお互いの姿が見えるように設定。事後アンケートでは「みんなが勉強しているのを見て、自分もやらなきゃという気になった」というコメントが多く、勉強に打ち込む姿がお互いの刺激になっていたことがわかります。

 また、画面オンにすることでメンターにも生徒の様子がわかり、少し集中力が切れているなと思ったら個別にチャットで声かけをするなど、きめ細やかな対応が可能になりました。

 

 夏休みのオンラインプログラムは保護者にも好評だったと先生方からお聞きし、改めてオンライン自習室のご相談をいただいたのが2学期のこと。コロナ禍ならではの課題が顕在化してきたとおっしゃるのです。B校ではかねてより、平日の20:00-21:00を各自が自宅学習をする自学自習時間としていました。

 ところが休校で朝からオンライン授業が続くなか、夜の時間に自習をする気力が残っていない生徒が多く、中学1年生から作り上げてきた学習習慣が乱れがちになっているとのことでした。そこで、新たなプログラムとして「夜のオンライン自習室」をスタートさせることになったのです。

 

主体的な目標設定やミニ講座で学習時間を有意義なものにする

 こうして2020年12月からスタートした夜のオンライン自習室は、現在も続いています(今年度は中学3年生の希望者対象)。現在は週3回(月・水・金)、19:30-20:45に開室。生徒たちは5分前にはチェックインし、みんなで挨拶をしてから、その日にやることを各自がGoogleフォームに書き込みます。

 教科や教材は何をやってもいいのですが、生徒の自主性を高めるため、必ず生徒自身に課題を決めてもらっています。また、どの教材を何ページまでやるか、具体的な目標も立ててもらいます。質問や相談がある生徒にはそれもフォームに書き込んでもらい、日によって「定期テストの結果はどうだった?」「最近の調子はどう?」といった項目も増やして、生徒の情報を集めるようにしています。

 なお、フォームはメンターにしか見えないようになっているので、個人情報は守られます。

 

 5分ほどでチェックインを済ませると、あとは黙々と学習に取り組みます。チェックイン時に「質問がある」と書いた生徒については、順次ブレイクアウトルームで個別に対応します。また、学習するなかで質問が出てきたときはチャットで知らせてもらい、同じように対応しています。様子が気になる生徒については、チャットで声をかけることもあります。

 

 夜のオンライン自習室では、日々の学習支援に加えて、勉強ワンポイントアドバイスの時間や心身のリフレッシュに効くストレッチといったミニ講座も企画しています。これは先述した夏休みのオンラインプログラムでも好評だったもので、ときには30分ほど時間を割いてイベント的に行うこともあります。生徒にとって役立つのはもちろん、メンターが個性を発揮する場にもなっており、今後もこうした機会を増やしていきたいと考えています。

 

先生方がやりたいことを一緒に実現するパートナーでありたい

 

 夜のオンライン自習室の成果は、生徒の変化となってあらわれています。最初の頃は「何を質問していいのかわからない」という状態だった生徒が、「この問題のここがわからない」と疑問点を明確にしてからメンターに質問できるようになったり、すぐに集中力が切れていた生徒が、長い時間机に向かえるようになったり。メンターも生徒の成長を自分のことのように喜んでいます。

 「人の目があることや質問できる人がそばにいることで、自習でも気持ちが緩まずに頑張れる」という声が生徒から寄せられているように、たとえオンラインでも「誰かと一緒にやっている」「一人じゃない」という感覚は、とても大事であることがわかります。

 また、先生方に好評なのが、メンターが作成して先生方と共有している「質問対応表」です。生徒からどんな質問があり、それに対してメンターがどう対応したのかを書き記したデータで、その細やかさを高く評価していただいています。学年担当の先生の間で回覧されており、「自分たちの目が届きにくい夜の自宅学習の様子がわかりありがたい」「授業や指導にも活かしていきたい」などのコメントをいただいています。

 

 私が放課後支援事業において大事にしてきたのが、「先生方がやりたいことを一緒に実現するパートナーでありたい」ということ。学校の先生方は、生徒のために何をしたらいいかということを常に考えていらっしゃいます。

 その思いを大事にしたいのです。先生方だけでは実現が難しいことも、パートナーである私たちにご相談いただければ、お役に経てることがきっとあるはずです。生徒のためになるのは大前提として、先生方がやりたいことを実現し、さらに関わるメンターも成長できる。

 今後もそんな取り組みを先生方と一緒に作り上げていきたいと考えています。

(文:笹原 風花)

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